NICUで働きたい!看護師の仕事内容と喜び・苦労

働き方

赤ちゃんが好きな看護師さんは、NICUで働いてみたいと思った方もいると思います。
NICU(新生児集中治療室)は、新生児・乳児を専門に治療・ケアを行う病棟です。病院内でも感染対策がしっかりとられた閉ざされた病棟であり、馴染みのない人も多いかもしれません。
この記事では、NICUの仕事内容とやりがい、その反面の苦労について解説します。NICUの勤務経験を活かして、リアルな声をお届けします。NICUに興味がある方は、自分に向いているかを判断する参考にしてください。

ほしこ
ほしこ

子育てをしながらNICU勤務を経験しました!

NICU(新生児集中治療室)とは?
早産児、低出生体重児、先天性疾患や障害のある新生児が入院し、治療を行うところです。医師・看護師が24時間体制で常駐し、バイタルを観察し、ケアを行います。人工呼吸器や輸液が必要な児が多く入院しています。各病院のNICUにより設備に差があるので、○週以上の早産から受け入れ可能と基準を定めています。看護基準は3:1ですが、重症であれば 1:1でケアをすることもあります。
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NICU看護師の仕事内容は?

バイタルサイン・全身状態の観察

心拍・呼吸・サチュレーションの監視モニターを常に装着しているので、状態に変化がないかを観察します。重症な児であれば、動脈ラインを挿入していることもあるので、血圧も観察します。また、バイタルサインを適切に測定する技術が必要です。体が小さい赤ちゃんにとって、少しの変化が命に関わる可能性もあるので、常に注意深く観察をします。赤ちゃんのそばに常にいるのは看護師なので、変化を見つけたら、医師に報告が必要かの判断をします。

医療的ケア

NICUに入院する赤ちゃんは、早産児、低出生体重児、疾患のある児であり、多数の薬剤を使用している場合が多いです。成人と比較し、投与する量は、非常に少量です。投与方法、投与時間も細い指示があります。0.1ml単位で量を計ります。薬剤の用法・用量のミスは命に直結するので、入念に確認します。
保育器の温度・湿度の管理や人工呼吸器や輸液ポンプのチェック、モニターの管理など、医療機器の設定・管理や正常に作動しているかチェックすることも重要な仕事です。

哺乳介助

赤ちゃんは3時間おきに哺乳があります。NICUに入院する赤ちゃんは、早産などで口から哺乳する力がまだ育っていません。母乳やミルクを経鼻・経口チューブで注入する場合が多いです。注入中に、栄養チューブを自己抜去すると、肺炎のリスクがあるので、注意深く観察が必要です。NICUに入院する赤ちゃんは、2.3ヶ月以上の長期入院となる場合も多いです。その間、お母さんに搾乳を届けてもらうので、お母さんが搾乳を継続できるサポートも大切な仕事です。早産児は、腸も未熟な状態で産まれているため、栄養と免疫を得るためにも母乳が望ましいです。

清潔ケア

おむつ交換や清拭、体位変換など、通常の育児と同様のケアも必要です。呼吸器を装着している赤ちゃんにとっては、体を動かすことでバイタルが変動する可能性もあります。また、呼吸器がずれないように配慮する必要もあります。皮膚も弱くトラブルが起きやすいです。全身状態を観察しながら、最小限の刺激でケアが行えるように注意します。

両親への支援

「元気に産んであげられなかった」と自分を責めたり、呼吸器や点滴がつながった姿にショックを受け、現状を受け入れるまでに時間がかかることもあります。赤ちゃんとの面会の時間を作り、両親の気持ちを傾聴したり、今の様子を伝えて不安の軽減に努めます。保育器の児に触れたり、おむつ交換や清拭を一緒に行うことで、愛着形成をサポートします。

ほしこ
ほしこ

面会に来れない時の様子を伝えるために、写真を貼ったノートを作っていました。少しでも安心してもらえるようにサポートします!

NICUの喜びと苦労

喜び・やりがい

□早産児、低出生体重児、疾患のある児が、命に関わる状態で入院します。日々の治療とケアで少しずつ成長し、退院していく姿を見守ることが最大の喜びです。退院した赤ちゃんが時々顔を見せにきてくれるのも嬉しいです。
□赤ちゃんに特化した病棟であり、成人の病棟では行うことのない専門的な治療・ケアを経験できます。今後のキャリアとして、新生児ケア・小児ケアを目指す方は、専門的な知識・技術が磨かれます。
□成人病棟と違い、ワンフロアの病棟です。その日の担当患者は決まっていますが、モニターのアラームや児が泣いた時の対応は、メンバー全員でフォローし合います。スタッフ同士が顔を合わせてコミュニケーションをとる場面が多いので、連携が取りやすいです。他の病棟と違い、各自ピッチは持ちません。

苦労・辛いこと

□元気に退院していく赤ちゃんがたくさんいる一方で、産まれて数日、数ヶ月で一生を終える赤ちゃんもいます。赤ちゃんの頑張りを見届けると同時に、最愛の我が子を亡くした両親の精神的支援もします。少しでも後悔のない時間を過ごせるように寄り添う力が必要です。
□体の小さい赤ちゃんにとって、少しの変化が命に関わるため、緊張感が常にあります。薬剤投与や人工呼吸器の管理など、1つ1つに細い指示があります。ミスが起きないように、集中力を切らすことなく働くことが必要です。このような急性期の緊張感がある中で働くことは、精神的ストレスになります。24時間体制で注意深いケアが必要ですので、心身ともにストレスは大きいです。
□新生児に特化した病棟です。その後のキャリアとして成人看護に異動した際は、NICUでの経験が活かしにくいです。

NICUで働くために

資格が必要?

看護師免許があれば誰でも働けます。ただし、NICUのない病院も多いので、転職の際は確認してください。また、それぞれの病院ごとに、NICUで受け入れる重症度も全く違います。総合周産期母子医療センターでは、高度な医療体制が整っています。多くの症例を経験し、専門知識を高めたいのであれば、総合周産期母子医療センターで働くことをおすすめします。

総合周産期母子医療センターとは?
母体・胎児集中治療管理室(MFICU)を含む産科病棟及び新生児集中管理治療室(NICU)、ドクターカーなど、基準を満たす設備を備えた医療機関です。24時間体制で、母体・新生児搬送受入体制があり、ハイリスク妊婦、ハイリスク新生児に対する高度な医療を行う病院です。

キャリアアップを目指すには?

NICUでキャリアを積みたい方は、新生児集中ケア認定看護師があります。

新生児集中ケア認定看護師とは?
看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。
新生児集中ケア分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践能力を身につけている看護師です。

こんな方におすすめ

NICUは新生児の治療に特化した特殊な病棟です。「赤ちゃんのために働きたい」「新生児ケアの経験を積みたい」など、強い思いを持ってNICUを希望する人も多いです。日々学び、向上心を持って働ける人、命に関わる急性期の現場でスキルを磨きたい人、緊張感のある現場で身心ともにある程度ストレスに強い人に向いていると思います。ゆったりと心と時間にゆとりを持って働きたい人、ルーティンワークの方が得意な人には、向いていないかもしれません。

ママナースは向いている?

ほしこ
ほしこ

子育てをしながらNICUで働いていました。赤ちゃんは好きですが、急性期は向いていませんでした。ほしこはのんびりした性格なので、心身ともにストレスを感じながら働いていました。

NICUで働くママナースはたくさんいました。やる気さえあれば、ママナースも働ける場所です。しかし、精神的ゆとりを持って働きたい方、夜勤のある勤務は避けたい方、急変や緊急入院による残業が難しい方、ワークライフバランス重視の方には負担が大きい病棟ではあります。それでも、「NICUで働いてみたい」という思いのある方は、ぜひ候補の1つに入れてください。NICUでしかできない経験や赤ちゃんの成長を見守る喜びはここにしかありません!

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